その「やる気のなさ」は、脳が正常に機能している証拠です
ピヨブログをご覧いただき、ありがとうございます。
営業歴20年、現在は営業部長として数十名の部下を預かる立場にありますが、今日はあなたに一つ、正直な告白をさせてください。
私にも、どうしてもベッドから起き上がれない朝があります。
顧客リストを見るのが億劫でたまらない。
電話のコール音が鳴るだけで心臓がキュッとなる。
「今日は直行します」と嘘をついて、喫茶店で漫画を読みふけたくなる。
新人の頃は、そんな自分を「なんて意志が弱いんだ」「営業に向いていない」と責め続けました。
しかし、心理学と行動科学、そして脳科学を学んだ今の私なら、はっきりと断言できます。
👉 その「やる気のなさ」は甘えではありません。
過酷な精神労働に耐えた脳が起こしている、正常な「防衛反応」なのです。💡
この記事では、精神論や根性論を一切排除します。
その代わりに、「なぜ営業職の脳は止まるのか」という科学的なメカニズムと、私が現場で実践し成果を出している「AIと心理学を使った具体的な復帰手順」を、余すことなくお伝えします。
読み終える頃には、「休むこと」への罪悪感が消え、明日への静かな活力が戻ってくるはずです。
🧠専門的視点:なぜ営業職だけが、こんなにも「電池切れ」を起こすのか?
「事務職の同期は毎日淡々と仕事をしているのに、なぜ自分だけ感情のアップダウンが激しいんだろう…」
そう悩んだことはありませんか?
それはあなたが劣っているからではありません。営業という仕事の性質上、脳の消費カロリーが桁違いだからです。

① 1日35,000回の決断と「ウィルパワー」の枯渇
人間は1日に約35,000回の決断をすると言われていますが、営業職はその「質」が重いのです。
- 「今、電話しても怒られないか?」
- 「お客様の眉間が動いた。価格が高いと思われたか?」
- 「クロージングをかけるべきか、待つべきか?」
常に相手の感情を読み取り、最適解を選び続ける作業は、脳の前頭前野にある「ウィルパワー(意志力)」を激しく消耗させます。
やる気が出ない状態は、心理学でいう「自我消耗(Ego Depletion)」の状態。
つまり、あなたの脳のバッテリーが物理的に0%になっているサインなのです。
② ドーパミン報酬予測の誤差
脳内物質「ドーパミン」は、期待した報酬が得られた時に放出されます。
しかし営業は、「頑張ったのに契約にならなかった」「期待していなかったのに売れた」という予測不能な仕事です。
努力と結果が比例しない状況が続くと、脳は「いつドーパミンを出せばいいかわからない」と混乱し、学習性無力感(あきらめ)に近い状態に陥ります。
これが、突発的な「やる気消失」の正体です。
📊マインドセット:私は「スランプ」をこう捉えている
では、20年間トップセールスとして走り続けてきた私が、この「脳のストライキ」にどう対処してきたのか。
まずはマインドセット(考え方)から変えていきましょう。

自分を「メタ認知」して実況中継する
やる気が出ない時、一番やってはいけないのが「自己否定」です。
「自分はダメだ」と思った瞬間、脳はストレスホルモン(コルチゾール)を分泌し、さらに思考力を低下させる悪循環に入ります。
私は調子が悪い時、心の中で自分の状態を実況中継します。これを心理学で「メタ認知」と言います。
【私の脳内実況】
「おっと、現在の筆者、布団から出ることを激しく拒否しています。
かなり前頭葉がお疲れのようです。ウィルパワーの残量は10%といったところでしょうか。
これは無理に動かすとエンジンが焼き付きますね。緊急メンテナンスモードへの移行を推奨します」
このように他人事のように実況すると、感情の渦から一歩抜け出し、冷静さを取り戻すことができます。
「根性」vs「理解」のアプローチ比較表
私が部下に指導する際は、以下のように伝えています。
「根性」で解決しようとするのは、骨折している足で走ろうとするのと同じです。
| 項目 | ❌ 根性論(昭和的)アプローチ | ⭕ 理解と科学(令和的)アプローチ |
|---|---|---|
| スランプの定義 | 怠け、甘え、気合不足 | 脳の充電期間、成長痛 |
| 対処法 | 自分を叱責し、無理に動く | 自分を観察し、戦略的に休む |
| 脳の状態 | コルチゾール増加(ストレス) | セロトニン分泌(安定) |
| 結果 | 燃え尽き症候群、離職 | 長く安定したパフォーマンス |
🚀実践編:明日から使える「行動科学×AI」の3つの処方箋
マインドが整ったら、次は具体的なアクションです。
ここでは、脳に負担をかけずに、自然と体が動き出す3つの技術を紹介します。
① カフェに逃げ込み、ノートと対話する(ジャーナリング)
やる気が出ない日は、あえて営業活動を止めます。
そしてお気に入りのカフェに行き、ノートを開きます。スマホやPCは開きません。

書くことはシンプルです。
- 今、何が嫌なのか?(感情の吐き出し)
- 本当はどうしたいのか?(理想の確認)
- もし今日、一つだけ仕事をするとしたら何をするか?(スモールステップ)
これを「ジャーナリング(書く瞑想)」と呼びます。
モヤモヤを目に見える文字にすることで、脳は「正体不明の不安」から解放され、驚くほどスッキリします。
② AI(ChatGPT)を「心の壁打ち相手」にする
これが、私が20年前には持っていなかった最強の武器です。
「提案書の構成を考える」「お詫びのメールを書く」…これらは、スランプ時には地獄のような作業です。
だから、「0から1を生み出す苦痛」をAIに丸投げします。
私はやる気が出ない時、ChatGPTにこんなプロンプト(指示)を投げたりしますw。
🔥 私が実際に使っていたプロンプト
あなたは熟練のキャリアカウンセラーであり、私の優しい秘書です。
現在、私は営業活動に対して強い無気力を感じており、PCを開くのも億劫です。
1. まず、私のこの「休みたい」という感情を肯定し、優しく励ましてください。
2. その上で、今の精神状態でも可能な「脳への負荷が低いタスク」を3つ提案してください。
3. 最後に、〇〇商事へ送る予定の「打ち合わせのお礼メール」の丁寧な下書きを作成してください。AIは文句ひとつ言わず、完璧な下書きと励ましの言葉をくれます。
「修正するだけ」なら、疲れた脳でも可能です。
AIをただのツールではなく、「自分の機嫌をとってくれるアシスタント」として活用してください。
③ 「小さな完了」でドーパミンを強制的に出す
脳科学者のクレペリンが提唱した「作業興奮」という理論をご存知でしょうか。
「やる気があるから動く」のではなく、「動くからやる気が出る」という脳の仕組みです。
しかし、最初の一歩が重い。だからこそ、徹底的にハードルを下げます。
仕事でなくて構いません。
- カバンの中のゴミを捨てた → 完了!
- デスクをウェットティッシュで拭いた → 完了!
- 同僚に「おはよう」と挨拶した → 完了!

この「完了」の感覚を積み重ねることで、脳の側坐核(やる気スイッチ)が徐々に温まり、気づけば「じゃあ、1件だけ電話してみるか」という状態になっています。
🌱メッセージ:弱さを知る人は、最強の営業になれる
最後に、少しだけ私の持論をお話しさせてください。
私はこれまで何百人もの営業マンを見てきましたが、長く成果を出し続ける人は「鋼のメンタルを持つ人」ではありませんでした。
むしろ、「自分の弱さとの付き合い方が上手な人」こそが、トップセールスになり、良いリーダーになっています。

なぜなら、営業とは「人の心を動かす仕事」だからです。
「今日はやる気が出ない」という自分の痛みを知っている人は、
「今日は話を聞く気分じゃない」というお客様の気持ちに、心から共感できます。
「決めるのが怖い」という自分の迷いを知っている人は、
「契約するのが怖い」というお客様の不安に、優しく寄り添うことができます。
つまり、今のあなたのその苦しみは、将来最強の「共感力」を手に入れるための、貴重なレッスンなのです。
だから、焦る必要はありません。
🌸まとめと感想:雨の日は傘をさして歩けばいい
長くなりましたが、本日のポイントを整理します。
【今日の復習】
✅ やる気が出ないのは「脳の防衛反応」。自分を責めない。
✅ 「メタ認知」で自分を実況し、感情から距離を置く。
✅ 思考系タスクはAIに丸投げして、脳のメモリを解放する。
✅ 5分間の単純作業で「作業興奮」を起こし、再起動する。
✅ 弱さを知ることは、営業としての「深み」になる。
【私の感想】
20年やってきても、やる気の波は天気のようにやってきます。
晴れの日もあれば、嵐の日もある。
大切なのは、嵐の日に無理に晴れにしようとしないことです。
「今日は雨か。じゃあ、傘をさしてゆっくり歩こう」
「カフェで雨宿りをして、本でも読もう」
そうやって自分の機嫌を取りながら、騙し騙し進んでいく。
それが、長く強く、そして穏やかに成果を出し続ける秘訣だと、私は思います。
大丈夫、止まない雨はありません。
まずは今日、PCを閉じて深呼吸を一つ。それだけで、あなたは十分頑張っていますよ。
【Next Step 👣】
もし今、辛い気持ちでこの記事を読んでいるなら、スマホのメモ帳を開いて「疲れた」「帰りたい」「何もしたくない」と、今の感情をそのまま書き出してみてください。
誰にも見せないそのメモが、あなたの脳を癒やす最初の一歩になります。😊✨
■ ごあいさつ
こんにちは!「ピヨブログ」管理人のピヨ部長です。
このブログは、「最強の矛(売る力)」と「最強の盾(守る力)」の両方を手に入れるための、営業心理学メディアです。
私は20年以上、リフォーム業界の最前線で「売る側」の人間として生きてきました。 営業部長として、心理学や行動経済学を駆使し、顧客の心を動かす「プロの手口」を熟知しています。
しかし、ある時ふと思いました。 「この強力な心理テクニックを、もし客側が知っていたら?」
このブログでは、現役営業部長である私が、あえて業界の裏側やセールスの手口を**「暴露」**します。
営業マンの方へ: 根性論ではない、科学的に「売れる技術(矛)」を。
一般の方へ: プロの営業トークを見抜き、損をしないための「防衛術(盾)」を。
攻めと守り。この矛盾する二つの武器を使いこなし、あなたの仕事と暮らしを「整える」お手伝いをします。
■ 経歴・実績
現役 営業部長(リフォーム業界歴20年) 数十名の部下を束ね、部門売上6億円を達成。 現在はプレイングマネージャーとして、AI・心理学を活用した「再現性のある営業教育」に従事。
「負」からの逆転 近畿大学 理工学部卒。実家の工務店が多額の借金を抱えて廃業するという原体験を持つ。 「守る知識」がないと搾取される怖さを痛感し、自身の家計防衛と資産形成(親の借金完済→戸建て購入)を達成。
プライベート 40歳、2児(5歳・3歳)の父。 趣味はアガベ・レオパ・3Dプリンター。合理的かつ効率的なライフハックを好む。
■ このブログで発信していること
このブログは、大きく分けて2つの視点で構成されています。
【売る力】営業マン・フリーランス向け
悪用厳禁の営業心理学: 顧客が無意識に「YES」と言ってしまう心理トリガーの解説。
現場の実践トーク: 机上の空論ではない、今日から使えるクロージング技術。
AI×効率化: 忙しい営業職が、AIを使って定時に帰るための仕事術。
【守る力】すべての消費者・パパママ向け
損しない購買心理学: 家電・車・住宅…高額商材の値引き交渉術。
プロの手口の裏読み: 営業マンの「笑顔」や「提案」の裏にある意図を暴露。
騙されないための防衛策: 悪質な契約や、不要なオプションを断るための鉄壁のフレーズ。
■ メッセージ
営業の世界には「知っている側」と「知らない側」の間に、大きな情報の格差があります。
私はその「境界線」に立ちます。
営業マンには「武器」を配り、成果を出して自信を持ってほしい。 そして消費者には「盾」を配り、納得のいく賢い買い物をしてほしい。
「売る力」を知れば、仕事が楽しくなる。 「守る力」を知れば、人生が豊かになる。
ピヨブログを通じて、あなたがこの両方の力を手に入れ、賢くしたたかに生き抜くきっかけになれば嬉しいです。



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