営業における「世界で一番残酷な言葉」をご存知でしょうか?
それは、断りの言葉ではありません。

「いいお話でした。…一旦持ち帰って、検討させてください。」
この言葉を聞いた瞬間、あなたの心は「あ、終わったな…」とズキリと痛みませんか? 😢
私も新人の頃は、この言葉を「見込みあり」と勘違いし、上司に「確度Bです!」と報告しては、その後二度と電話が繋がらない…という経験を何百回と繰り返しました。
しかし、今の私なら断言できます。
お客様が「考えます」と言うとき、実はお客様自身も「何を考えるべきか」分かっていません。
それは単なる「決断の先送り(現状維持バイアス)」という脳の防衛本能だからです。
トップセールスマンが「検討します」と言わせないのは、強引だからではありません。
人間の心理構造に基づいた「断る理由を消去するパズル」を、商談の中で完成させているからです 💡
今回は、根性論やセンスを一切排除した、誰でも再現可能な「営業マトリックス理論」と「無敗の5ステップ」を徹底解説します。
これを読めば、あなたの商談から「曖昧な保留」が消滅しますよ ✨

第1章:なぜ「情熱」だけでは売れないのか?脳科学的アプローチ
多くの営業マンが陥る罠。
それは「商品の良さを100%伝えれば売れる」という誤解です。
心理学には「心理的リアクタンス」という用語があります。
人は「説得されている」と感じた瞬間、無意識に反発し、自由を守ろうと心を閉ざす習性があります。
つまり、あなたが熱心に語れば語るほど、お客様の脳内では「売り込まれている!逃げろ!」という警報が鳴り響くのです 🚨
売れる営業マンは、「説得」をしません。
彼らがやっているのは、お客様の脳内にある「不安」と「欲求」のパズルを整理する作業です。
営業とは、アーティスト(芸術家)のようなセンスではなく、
ドクター(医師)のような「診断と処方の科学」なのです 🔬

第2章:契約の方程式「信用性 × 必要性」の正体
お客様が財布の紐を緩める瞬間、脳内では何が起きているのでしょうか?
実は、非常にシンプルな「掛け算」が行われています。
成約(Action) = ① 信用性(Credibility) × ② 必要性(Necessity)
このどちらか片方でも「0(ゼロ)」であれば、答えは必ずゼロになります。
「検討します」と言われるのは、このバランスが崩れている証拠なのです。
① 信用性(Credibility):この人は「敵」ではないか?
「商品は良いけど、この営業マンからは買いたくない」
これは信用性が欠けている状態です。
ここでの信用とは、単に「嘘をつかない」ことではありません。
「プロとしての専門性(Expertise)」と「顧客への共感(Empathy)」がセットになって初めて生まれます。
「この人は私の悩みを私以上に理解している」と思わせた瞬間、あなたは「売り手」から「パートナー」に昇格します 🤝
② 必要性(Necessity):それは「今」やるべきか?
「良い人だし商品は最高だけど、今はいいかな…」
これは必要性(緊急性)の欠如です。
人は「得すること(利得)」よりも「損すること(損失)」を2倍強く恐れるという「プロスペクト理論」があります。
必要性を高めるには、「これを買うとどうなるか(メリット)」ではなく、「これを買わないと、将来どんな損をするか(リスク回避)」を認識させる必要があります ⚠️

第3章:【実践編】脳のガードを外す「無敗の5ステップ」
理論が分かったところで、実際の商談フローに落とし込みましょう。
この5ステップは、人間の心理変化の順序に沿って設計されています。
| Step | フェーズ | 心理学的狙い |
|---|---|---|
| Step1 | アプローチ | 類似性の法則(警戒心の解除) |
| Step2 | ヒアリング | 一貫性の原理(ニーズの自覚) |
| Step3 | プレゼン | 流暢性の効果(脳への負担軽減) |
| Step4 | クロージング | ナッジ理論(背中を押す) |
| Step5 | 切り返し | 分離と解消(最後の懸念払拭) |
Step1:アプローチ「雑談は天気の話をするな」
「今日は暑いですね」といった意味のない雑談はNGです。
心理学の「類似性の法則」を使い、「私とあなたは共通点がありますよ」というシグナルを送ります。
「社長のブログを拝見しました。特に〇〇という記事に共感しまして…」と、事前リサーチに基づいた“意味のある雑談”こそが、信頼の扉を開きます 🔑
Step2:ヒアリング「尋問ではなくカウンセリング」

ピヨさん、ヒアリングで悩みを聞き出そうとすると、
相手が黙り込んじゃうんです…

それは『尋問』になっているからかもしれません!
コツは『仮説』をぶつけることです
「御社の課題は何ですか?」と聞かれても、客は答えられません。
「御社のような業界では、最近〇〇でお困りの企業が多いですが、いかがですか?」と仮説を投げることで、「そうそう!実はね…」と本音が溢れ出します。
これを心理学で「自己開示の返報性」と呼びます 🗣️
Step3:プレゼンテーション「機能ではなく未来を売る」
スペックの説明はカタログに任せましょう。
プレゼンの役割は、「この商品を使った後の輝かしい未来(ベネフィット)」を具体的にイメージさせることです。
「この機能があれば、今の残業時間が半分になり、週末はお子さんと遊べます」――ここまで翻訳して初めて、脳は「欲しい!」と反応します ✨
Step4:クロージング「YESかNOか、を迫らない」
「契約しますか?しませんか?」という二択は、相手に強いストレスを与えます。
ここで使うのが「選択のナッジ(Option Closing)」です。
「Aプランだとコスト重視、Bプランだと効果重視ですが、今の御社ならどちらがフィットしそうですか?」
このように「やるかやらないか」ではなく「どっちでやるか」の土俵に乗せることで、自然と契約への道筋が整います 🚀
Step5:切り返し「検討しますの正体を見破る」
それでも「検討します」と言われたら、どうするか。
ここで引き下がらず、「テストクロージング」を投げかけます。

もちろんです。重要なことですからじっくり考えてください。

…ちなみに、
もし仮に『予算』の問題がクリアになったとしたら、
前向きに進めたいとお考えですか?
これで「YES」なら、ボトルネックは予算だけ。
「うーん」なら、まだ信用性か必要性が足りていません。
曖昧な「検討」を分解し、真の阻害要因を特定するのがプロの仕事です 🔍

第4章:営業は「才能」ではなく「単純作業」である
「私には口下手だから無理だ…」
そう思っている人にこそ、この言葉を贈ります。
ギネスブック認定の世界No.1セールスマン、ジョー・ジラード氏はこう言いました。
「営業とは、単なる作業である。正しい種をまき、水をやれば、花は勝手に咲く。」
私が今回紹介したメソッドは、特別な才能が必要なものではありません。
「信用」と「必要」という2つの種をまき、水をやる。
ただそれだけの「正しい手順」を守れるかどうかが、売れる人と売れない人の唯一の差なのです。

でも、この手順を商談中に全部思い出すのは難しそうです…

最初はカンニングペーパーを作ってもOKです!
商談ノートの隅に『信用×必要』と書いておくだけで、
迷った時の羅針盤になりますよ

まとめ:今日からあなたが「選ばれる理由」を作ろう
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
「検討します」という言葉は、お客様からの拒絶ではなく、「私の背中を押す材料がまだ足りないよ」というサインです。
今日のポイントをおさらいしましょう。
- 営業は科学:「説得」ではなく、心理的リアクタンスを避けた「納得」を作る。
- 契約の方程式:「信用性(Expertise)」×「必要性(Risk Avoidance)」。
- 仮説思考:質問攻めではなく、「こうではないですか?」という仮説で心を開く。
- ナッジ理論:「やるかやらないか」ではなく「AかBか」で選択を促す。
明日からの商談、まずは「上手く話そう」とするのをやめてみてください。
その代わりに、目の前のお客様に対して「この人の信用を得るには?」「この人の真の課題は?」と、心の中で問いかけてみてください。
その視点の転換こそが、あなたがトップセールスへと進化する最初の一歩になります。
あなたの営業人生が、ストレスフルな「お願い営業」から、感謝される「コンサルティング営業」に変わることを心から応援しています 🐥✨
■ ごあいさつ
こんにちは!「ピヨブログ」管理人のピヨ部長です。
このブログは、「最強の矛(売る力)」と「最強の盾(守る力)」の両方を手に入れるための、営業心理学メディアです。
私は20年以上、リフォーム業界の最前線で「売る側」の人間として生きてきました。 営業部長として、心理学や行動経済学を駆使し、顧客の心を動かす「プロの手口」を熟知しています。
しかし、ある時ふと思いました。 「この強力な心理テクニックを、もし客側が知っていたら?」
このブログでは、現役営業部長である私が、あえて業界の裏側やセールスの手口を**「暴露」**します。
営業マンの方へ: 根性論ではない、科学的に「売れる技術(矛)」を。
一般の方へ: プロの営業トークを見抜き、損をしないための「防衛術(盾)」を。
攻めと守り。この矛盾する二つの武器を使いこなし、あなたの仕事と暮らしを「整える」お手伝いをします。
■ 経歴・実績
現役 営業部長(リフォーム業界歴20年) 数十名の部下を束ね、部門売上6億円を達成。 現在はプレイングマネージャーとして、AI・心理学を活用した「再現性のある営業教育」に従事。
「負」からの逆転 近畿大学 理工学部卒。実家の工務店が多額の借金を抱えて廃業するという原体験を持つ。 「守る知識」がないと搾取される怖さを痛感し、自身の家計防衛と資産形成(親の借金完済→戸建て購入)を達成。
プライベート 40歳、2児(5歳・3歳)の父。 趣味はアガベ・レオパ・3Dプリンター。合理的かつ効率的なライフハックを好む。
■ このブログで発信していること
このブログは、大きく分けて2つの視点で構成されています。
【売る力】営業マン・フリーランス向け
悪用厳禁の営業心理学: 顧客が無意識に「YES」と言ってしまう心理トリガーの解説。
現場の実践トーク: 机上の空論ではない、今日から使えるクロージング技術。
AI×効率化: 忙しい営業職が、AIを使って定時に帰るための仕事術。
【守る力】すべての消費者・パパママ向け
損しない購買心理学: 家電・車・住宅…高額商材の値引き交渉術。
プロの手口の裏読み: 営業マンの「笑顔」や「提案」の裏にある意図を暴露。
騙されないための防衛策: 悪質な契約や、不要なオプションを断るための鉄壁のフレーズ。
■ メッセージ
営業の世界には「知っている側」と「知らない側」の間に、大きな情報の格差があります。
私はその「境界線」に立ちます。
営業マンには「武器」を配り、成果を出して自信を持ってほしい。 そして消費者には「盾」を配り、納得のいく賢い買い物をしてほしい。
「売る力」を知れば、仕事が楽しくなる。 「守る力」を知れば、人生が豊かになる。
ピヨブログを通じて、あなたがこの両方の力を手に入れ、賢くしたたかに生き抜くきっかけになれば嬉しいです。



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